何しろ二十五銭じゃ安過ぎるっていうんだから」
この最後の一言で、私は今まで安く買い得たという満足の裏に、ぼんやり潜んでいた不快、――不善の行為から起る不快――を判然自覚し始めた。
そうして一方では狡猾い私を怒ると共に、一方では二十五銭で売った先方を怒った。
何しろ二十五銭じゃ安過ぎるっていうんだから」
この最後の一言で、私は今まで安く買い得たという満足の裏に、ぼんやり潜んでいた不快、――不善の行為から起る不快――を判然自覚し始めた。
そうして一方では狡猾い私を怒ると共に、一方では二十五銭で売った先方を怒った。