医師はハンカチで、丁寧にその血を拭き取って、しばらくそこの皮膚を凝視していたが、ふたたび独言のように呟いた。
「注射針の痕だ」
新一青年はそれを聞くと、何か思い当ることがあるらしく、懐中電燈を点じて、待避壕の中へ入って行ったが、暫くすると、土にまみれた小さな注射器を右手につまんで引返して来た。
医師はハンカチで、丁寧にその血を拭き取って、しばらくそこの皮膚を凝視していたが、ふたたび独言のように呟いた。
「注射針の痕だ」
新一青年はそれを聞くと、何か思い当ることがあるらしく、懐中電燈を点じて、待避壕の中へ入って行ったが、暫くすると、土にまみれた小さな注射器を右手につまんで引返して来た。