この雄大なる光芒の移動がある距離に達すると、行手の闇に幾本かの白銀の延棒が出現して敵機に焦点を合せ、新たなる極光が構成せられる頃には、従前の幾光芒は既にして後続の新敵機をその中心に捉え、大空に二重の蜘蛛手を張っていた。
かようにして照空燈が新たなる敵機を捉えるごとに、偉大なる空の光の網目は、三重となり四重となり、おのおのその中心に四発大型敵機を激怒の白熱につつみながら、壮絶なる空の持ち送りをつづけて行った。
全都は今や敵の投弾と、味方の高射砲と、敵機味方機入り乱れての爆音と、名状しがたき大音響につつまれていた。