地下室に収容せられた患者の一部も爆弾によって死傷したが、何ら肉体的傷害を受けなかったとはいえ、心理上の大衝撃によって俄かに病勢悪化した患者も少くはなかった。
五十嵐博士未亡人もそういう不幸な患者の一人であった。
五十嵐新一は毎日母の病床を見舞うことにしていたが、空襲の当日は、深夜警戒警報のサイレンを聞くと同時に、病院に駈けつけ母の枕頭に侍していた。
地下室に収容せられた患者の一部も爆弾によって死傷したが、何ら肉体的傷害を受けなかったとはいえ、心理上の大衝撃によって俄かに病勢悪化した患者も少くはなかった。
五十嵐博士未亡人もそういう不幸な患者の一人であった。
五十嵐新一は毎日母の病床を見舞うことにしていたが、空襲の当日は、深夜警戒警報のサイレンを聞くと同時に、病院に駈けつけ母の枕頭に侍していた。