全体が真黒で、水に近いところだけ、真赤に塗ってある、まるで高い高い壁のような汽船の横腹、その前を、海軍将校のような金モールの徽章の帽子をかぶった船員が、大きなパイプをくわえて歩いて来るかと思うと、腕に入墨のある西洋人の水夫が、白い水夫帽を横っちょにかぶって、妙な歌をうたいながら通りすぎます。
そういう景色が、どれもこれも、三人の少年にはなつかしくてたまらないのでした。
三千トンもある黒い支那通いの船の次には、その半分ほどの大きさの、全体を黄色くぬった、外国の貨物船らしいのが、横づけになっています。