三人が待ちに待っていた汽船は、一向通りかかる様子もありませんでしたが、海は鏡のように静かでしたし、食料はありますし、命には別状もなくすごすことが出来ました。
何より困ったのは、赤道に近い太陽の熱さでしたが、三人は残っていた一本のオールをボートの中に斜に立てて、みんなの上着をつないで日覆のようなものをこしらえ、やっと熱さをしのぎました。
それに、南洋では、どんな天気のよい日にも、一日に二回も三回も、スコールという夕立のような雨が降りますので、その度に体中がずぶぬれになって、暑さを忘れ、その雨を両手にうけて、かわいた喉をうるおすことも出来るのでした。