筏の上の三少年は、思いがけぬところに、妙な土人がいたものですから、もしや人食人種ではないかと、うすきみわるく感じましたが、土人の女が、気をうしなった子供を見て、おろおろしている様子が、いかにもかわいそうですし、その女の顔は、土人ながらどこかやさしいところがあって、まさか人食人種の妻とも考えられませんので、ともかく上陸して、その子供を介抱してやろうじゃないかと、相談をきめました。
熱帯樹のしげっている岸に、筏をつけて、三人が上陸しますと、土人の女は、見なれぬ服装の少年たちを見て、やっぱり気味が悪いのか、ちょっと逃げ出しそうにしましたが、だいじな我が子をすてて逃げるわけにも行かないので、そこに立ちすくんだまま、ためらっている様子でした。
少年たちは、相手を安心させるために、ニコニコ笑いながら、そこに近づき、グッタリと倒れている子供をだき起してさまざまに介抱してやりました。