一太郎君はこまったような顔をして、しばらく考えこんでいましたが、やがて、なにを考えついたのか、「あ、そうだ」と、ひとりごとを言ったかと思うと、いきなり、妙子ちゃんのカバンの中から、黒地に赤い花の模様のあるセルロイドの筆入を取出しました。
妙子ちゃんがころんだ時、中のクレヨンが道にちらばったという、あの筆入です。
「ちょっと、これを兄さんにかしてね」
一太郎君はこまったような顔をして、しばらく考えこんでいましたが、やがて、なにを考えついたのか、「あ、そうだ」と、ひとりごとを言ったかと思うと、いきなり、妙子ちゃんのカバンの中から、黒地に赤い花の模様のあるセルロイドの筆入を取出しました。
妙子ちゃんがころんだ時、中のクレヨンが道にちらばったという、あの筆入です。
「ちょっと、これを兄さんにかしてね」