さて、食料の用意ができると、トックリバチは、壺の中へ卵を一つ生みつけて、それから、例の土をこねたセメントで、そっと壺の蓋をして、そのままどこかへ飛び去ってしまう。
生みつけられた卵は、壺の中で殻をやぶって幼虫になり、たっぷり用意されている青虫をたべて、だんだん大きくなって行き、おしまいには親蜂と同じ成虫の姿になって、壺をやぶって、広い世界に飛び出すという順序だ。
人間のお母さんたちは、だいたり、おぶったり、お乳をのませたり、赤ちゃんを育てるのに、それはそれは御苦労をなさるのだが、トックリバチは、その苦労を、子供を生む前にすませてしまうのだね。