大学生の高橋さんに教わって、長さ五十糎ほどの画用紙の筒で、空の月をのぞきながら、その紙筒の先をだんだん細くまいていきますと、月の方でもだんだん小さくなっていって、紙筒の先の穴が、さしわたし三粍ほどになっても、月は、まだちゃんとその中に見えていたのです。
洋食皿よりも少し小さいくらいだと思っていた月が、紙筒でのぞいて見ると、米つぶほどになってしまったのです。
なぜそんなに小さく見えるかというわけは、前に書いてあるとおりですが、その実験をしてから二三日たった夕方、一太郎君はまた高橋さんのお家へ遊びに行きました。