物語の発端丈けでも、私は二十回も、書いては破り書いては破りした。
そして、結局、私と木崎初代との恋物語から始めるのが一番穏当だと思う様になった。
実を云うと、自分の恋の打開け話を、書物にして衆人の目にさらすというのは、小説家でない私には、妙に恥しく、苦痛でさえあるのだが、どう考えて見ても、それを書かないでは、物語の筋道を失うので、初代との関係ばかりではなく、その外の同じ様な事実をも、甚しいのは、一人物との間に醸された同性恋愛的な事件までをも、恥を忍んで、私は暴露しなければなるまいかと思う。
物語の発端丈けでも、私は二十回も、書いては破り書いては破りした。
そして、結局、私と木崎初代との恋物語から始めるのが一番穏当だと思う様になった。
実を云うと、自分の恋の打開け話を、書物にして衆人の目にさらすというのは、小説家でない私には、妙に恥しく、苦痛でさえあるのだが、どう考えて見ても、それを書かないでは、物語の筋道を失うので、初代との関係ばかりではなく、その外の同じ様な事実をも、甚しいのは、一人物との間に醸された同性恋愛的な事件までをも、恥を忍んで、私は暴露しなければなるまいかと思う。