K氏と、私とは、その現場でも、また後日役所に呼び出されさえして、色々と初代の日常に関して取調べを受けたのであるが、それによって得た知識、又初代の母親や近所の人達から聞知った所などを綜合すると、この悲むべき殺人事件の経過は、大体次の様なものであった。
初代の母親は、その前夜、やっぱり娘の縁談のことについて相談する為に、品川の方にいる彼女の亡夫の弟の所へ出向いて、遠方の事故、帰宅したのはもう一時を過ぎていた。
戸締りをして、起きて来た娘と暫く話をして、彼女の寝室に定めてある方の、玄関ともいうべき四畳半へ臥った。