それは兎も角、少年惨殺事件があってから数日というものは、私達の周囲もゴタゴタしていたし、正体の分らぬ敵に対する恐れに、私達の心も騒いでいたので、無論私は度々諸戸を訪問してはいたのだけれど、ゆっくり善後策を相談する程、お互に落ちついた気持になれなかった。
私達が次に執るべき手段について語り合ったのは、そんな訳で、友之助が殺されてから数日も経過した時分であった。
其日も私は会社を休んで(事件以来、会社の方は殆どお留守になっていた)諸戸の家を訪ねたのであるが、私達が書斎で話し合っていた時、彼は大体次の様な意見を述べたのであった。