そこで、私は色々考えた末、曲者はまさかこのレストランの二階まで感づいていないだろうと思ったので、二冊の帳面を、そこの長押に懸けてあった、古い額の、表装の破れ目から、ぐっと押こんで、一寸見たのでは少しも分らぬ様にして置いて、何食わぬ顔で、そのまま自宅に立帰ったのである。
(だが、この私の即興的な――内心いささか得意であった隠し場所が、決して安全なものでなかったことが、あとで分った)
それから翌日のお昼頃、私が諸戸を訪問するまで、別段のお話もない。
そこで、私は色々考えた末、曲者はまさかこのレストランの二階まで感づいていないだろうと思ったので、二冊の帳面を、そこの長押に懸けてあった、古い額の、表装の破れ目から、ぐっと押こんで、一寸見たのでは少しも分らぬ様にして置いて、何食わぬ顔で、そのまま自宅に立帰ったのである。
(だが、この私の即興的な――内心いささか得意であった隠し場所が、決して安全なものでなかったことが、あとで分った)
それから翌日のお昼頃、私が諸戸を訪問するまで、別段のお話もない。