そのボロ汽船に一日ゆられて、やっとK港に着くとK港そのものがうら淋しい漁師村に過ぎないのに、更らに断崖になった人も住まぬ海岸を、海上五里、言葉さえ通じ兼ねる漁師の小舟で、殆ど半日を費して、漸く岩屋島へ着くのである。
途中別段のこともなく、私達は七月三十一日の昼頃、中継ぎのK港に上陸した。
桟橋は即ち魚市場の荷上所で、魚形水雷みたいな鰹だとか、腸の飛び出した、腐りかかった鮫だとかが、ゴロゴロと転り、磯の香と腐肉の臭がムッと鼻をついた。
そのボロ汽船に一日ゆられて、やっとK港に着くとK港そのものがうら淋しい漁師村に過ぎないのに、更らに断崖になった人も住まぬ海岸を、海上五里、言葉さえ通じ兼ねる漁師の小舟で、殆ど半日を費して、漸く岩屋島へ着くのである。
途中別段のこともなく、私達は七月三十一日の昼頃、中継ぎのK港に上陸した。
桟橋は即ち魚市場の荷上所で、魚形水雷みたいな鰹だとか、腸の飛び出した、腐りかかった鮫だとかが、ゴロゴロと転り、磯の香と腐肉の臭がムッと鼻をついた。