「だって、ありゃ兄さんが悪いんですもの」
「甲野君がどうかしたんですか」と小野さんは始めて口らしい口を開いた。
「いえ、あなた、どうもわがまま者の寄り合いだもんでござんすから、始終、小供のように喧嘩ばかり致しまして――こないだも兄の本を……」と御母さんは藤尾の方を見て、言おうか、言うまいかと云う態度を取る。
「だって、ありゃ兄さんが悪いんですもの」
「甲野君がどうかしたんですか」と小野さんは始めて口らしい口を開いた。
「いえ、あなた、どうもわがまま者の寄り合いだもんでござんすから、始終、小供のように喧嘩ばかり致しまして――こないだも兄の本を……」と御母さんは藤尾の方を見て、言おうか、言うまいかと云う態度を取る。