その一つは、土蔵の中の双生児についてである。
私が諸戸屋敷に最初の夜を過した翌朝、土蔵の窓の双生児を垣間見て、その一方の女性(つまり日記にあった秀ちゃん)の美貌にうたれたことは前章に記した通りだが、異様なる環境がこの片輪娘の美しさを際立たせたとしても、その垣間見の印象が、あれ程強く私の心を捉えたというのは何とやらただごとではない感じがした。
読者も知る様に、私はなき木崎初代に全心の愛を捧げていた。
その一つは、土蔵の中の双生児についてである。
私が諸戸屋敷に最初の夜を過した翌朝、土蔵の窓の双生児を垣間見て、その一方の女性(つまり日記にあった秀ちゃん)の美貌にうたれたことは前章に記した通りだが、異様なる環境がこの片輪娘の美しさを際立たせたとしても、その垣間見の印象が、あれ程強く私の心を捉えたというのは何とやらただごとではない感じがした。
読者も知る様に、私はなき木崎初代に全心の愛を捧げていた。