投げてしまうと、又元の岩の蔭に隠れて、じっと待っていたが、諸戸の返事は仲々戻って来ぬ。
若しかしたら、彼は私がこの島を立去らなかったのを怒っているのではないかと心配し始めた頃、もう殆んど暮れ切って、土蔵の窓を見分けるのもむずかしくなった時分に、やっと、その窓の所へボンヤリと白い物が現われ、紙つぶてを私の方へ投げてよこした。
その白いものは、よく見ると諸戸ではなくて、懐しい双生児の秀ちゃんの顔らしかったが、それが、闇の中でも、何となく悲しげに打沈んでいるのが察しられた。
投げてしまうと、又元の岩の蔭に隠れて、じっと待っていたが、諸戸の返事は仲々戻って来ぬ。
若しかしたら、彼は私がこの島を立去らなかったのを怒っているのではないかと心配し始めた頃、もう殆んど暮れ切って、土蔵の窓を見分けるのもむずかしくなった時分に、やっと、その窓の所へボンヤリと白い物が現われ、紙つぶてを私の方へ投げてよこした。
その白いものは、よく見ると諸戸ではなくて、懐しい双生児の秀ちゃんの顔らしかったが、それが、闇の中でも、何となく悲しげに打沈んでいるのが察しられた。