そういい残して、河野が彼の部屋へ引取ったのは、もう殆ど夜あけに近い頃でした。
私としては、無論一切の探索を河野に任せて、ただその結果を聞けばいいのですから、彼が新しい報告を齎すまで、僅の時間でも寐て置こうと、話に夢中になって、寝衣のままふとんの上に坐っていたのを、元の様に枕について見ましたが、どうして一旦興奮してしまった頭は、睡ろうとすればするほど、冴え返って、その内にあたりは段々明るくなる、階下では女中共の掃除の音が聞え出す、とても寐られたものではありません。
私はソワソワと起き上って、第一に、例の仕掛の取りつけてあった、窓の所へ行き、そこをあけて、何か人目につく様なレンズ装置の痕跡でも残っていはしないかと、朝の光でもう一度調べて見ました。