最早や尋ねて見ることもなくなったのですけれど、私は何となくその場を去り難い気持で、三造の姿をジロジロと眺めていました。
不思議なことには、相手の三造の方でも、何かモジモジしながら、そこに突立っているのです。
彼は、襟に「湖畔亭」と染抜いた、古ぼけた半纒を着て、膝の所のダブダブになったメリヤスの股引をはいているのですが、そのみすぼらしい風体に似げなく、顔を綺麗に剃っているのが、妙に私の注意をひきました。
最早や尋ねて見ることもなくなったのですけれど、私は何となくその場を去り難い気持で、三造の姿をジロジロと眺めていました。
不思議なことには、相手の三造の方でも、何かモジモジしながら、そこに突立っているのです。
彼は、襟に「湖畔亭」と染抜いた、古ぼけた半纒を着て、膝の所のダブダブになったメリヤスの股引をはいているのですが、そのみすぼらしい風体に似げなく、顔を綺麗に剃っているのが、妙に私の注意をひきました。