そこへ気がつくと、私はやにわに、湖畔亭の前を通っている村道に駈つけました。
山里のことですから、宿の外には燈火の洩れる家とてもなく、まっくらな街道には、人影もありません。
遠くの方から、村の青年が吹き鳴しているのでしょう、下手な追分節の尺八が、それでも何とやら物悲しく、風の音にまじって聞えて来ます。
そこへ気がつくと、私はやにわに、湖畔亭の前を通っている村道に駈つけました。
山里のことですから、宿の外には燈火の洩れる家とてもなく、まっくらな街道には、人影もありません。
遠くの方から、村の青年が吹き鳴しているのでしょう、下手な追分節の尺八が、それでも何とやら物悲しく、風の音にまじって聞えて来ます。