が、そうした事に不慣れの彼女は僅一束の紙幣を抜きとるのに可成の時間を費したらしく、ふと気がついた時には、いつの間にか、うしろにトランクの主が恐しい剣幕で立ちはだかっていたのです。
長吉が僕の部屋へ逃げ込んで来たのは、まあそういう訳だったのです。
が、ここに不思議なのは、トランクの持主の態度でした。
が、そうした事に不慣れの彼女は僅一束の紙幣を抜きとるのに可成の時間を費したらしく、ふと気がついた時には、いつの間にか、うしろにトランクの主が恐しい剣幕で立ちはだかっていたのです。
長吉が僕の部屋へ逃げ込んで来たのは、まあそういう訳だったのです。
が、ここに不思議なのは、トランクの持主の態度でした。