「これということもございませんでした。
よいの内はピアノなど鳴している様でございましたが、九時頃私が見廻りました時には、もうよく寐入っておりました。
それに、丁度私の見廻ります少し前に、主人が店から帰りまして、三千子の部屋のすぐ下の書斎で、長い間調べ物をしていたのでございますから、三千子が部屋から降りて来るとか、何者かが忍び込むとかすれば、主人が気のつかないはずはございません。
「これということもございませんでした。
よいの内はピアノなど鳴している様でございましたが、九時頃私が見廻りました時には、もうよく寐入っておりました。
それに、丁度私の見廻ります少し前に、主人が店から帰りまして、三千子の部屋のすぐ下の書斎で、長い間調べ物をしていたのでございますから、三千子が部屋から降りて来るとか、何者かが忍び込むとかすれば、主人が気のつかないはずはございません。