僕はあの翌日一杯かかって、出来るだけ調べたのですが、吾妻橋の東詰までは、色々な人の記憶を引出して、どうにかこうにか跡をつけることが出来ましたけれど、それから先は、橋を渡ったのか、河岸を厩橋の方へ行ったのか、それとも左に折れて業平橋の方に向ったのか、どう手を尽しても分らないのです。
現に唯今でも僕の配下のものが一人その方の捜索にかかり切っている様な訳ですが、まだ何の吉報もありません。
もう一つは、お宅の蕗屋という運転手です」明智は何かニヤニヤ笑って夫人の顔を見た。
僕はあの翌日一杯かかって、出来るだけ調べたのですが、吾妻橋の東詰までは、色々な人の記憶を引出して、どうにかこうにか跡をつけることが出来ましたけれど、それから先は、橋を渡ったのか、河岸を厩橋の方へ行ったのか、それとも左に折れて業平橋の方に向ったのか、どう手を尽しても分らないのです。
現に唯今でも僕の配下のものが一人その方の捜索にかかり切っている様な訳ですが、まだ何の吉報もありません。
もう一つは、お宅の蕗屋という運転手です」明智は何かニヤニヤ笑って夫人の顔を見た。