紋三はこの数日、長い間の倦怠をのがれて、可なり緊張した気持を味うことが出来た。
彼はやっとこの世に生がいを見出した様に思った。
奇怪な犯罪事件の渦中にまき込まれて、素人探偵を気取ることも、子供らしい彼には随分面白かったが、それよりも、今までは、何か段違いの相手の様な気がして、口を利くことさえ憚られた山野夫人が、思いもかけず、くだけた調子で彼に接近して来たことが、何よりもうれしかった。
紋三はこの数日、長い間の倦怠をのがれて、可なり緊張した気持を味うことが出来た。
彼はやっとこの世に生がいを見出した様に思った。
奇怪な犯罪事件の渦中にまき込まれて、素人探偵を気取ることも、子供らしい彼には随分面白かったが、それよりも、今までは、何か段違いの相手の様な気がして、口を利くことさえ憚られた山野夫人が、思いもかけず、くだけた調子で彼に接近して来たことが、何よりもうれしかった。