紋三は押入なども一々開けて見て、隈なく家中を探したけれど、老婆のいった通りねこの子一匹いなかった。
あの様に表口裏口を監視していたのだから、夫人達が若し家を出たとすれば彼の目につかぬはずはないのだし、彼が表から入った物音を聞きつけて、その隙に彼等が裏口から逃げるという様なことは、不可能だった。
そんな余裕のあろう訳がない。
紋三は押入なども一々開けて見て、隈なく家中を探したけれど、老婆のいった通りねこの子一匹いなかった。
あの様に表口裏口を監視していたのだから、夫人達が若し家を出たとすれば彼の目につかぬはずはないのだし、彼が表から入った物音を聞きつけて、その隙に彼等が裏口から逃げるという様なことは、不可能だった。
そんな余裕のあろう訳がない。