夏目漱石 『虞美人草』 未来を覗く椿の管が、同時に揺れて、唐紅の一片がロゼッチの詩集の上に音なしく落ちて来る。 完き未来は、はや崩れかけた。 小野さんは机に添えて左りの手を伸したまま、顔を斜めに、受け取った封書を掌の上に遠くから眺めていたが、容易に裏を返さない。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア