煙突には船の帆柱の様に、頂上から太い針金が三方に出て、その一本が狭い空地を越して、向う側のゴミゴミした長屋の屋根に届いていた。
彼はケーブルカーの様にその針金をすべって、向う側に渡る積りなのだ。
もしそれがうまく行けば、そこは複雑な迷路みたいな町だし、夕暗のことだから、うまく逃げおおせることも、満更不可能ではなかった。
煙突には船の帆柱の様に、頂上から太い針金が三方に出て、その一本が狭い空地を越して、向う側のゴミゴミした長屋の屋根に届いていた。
彼はケーブルカーの様にその針金をすべって、向う側に渡る積りなのだ。
もしそれがうまく行けば、そこは複雑な迷路みたいな町だし、夕暗のことだから、うまく逃げおおせることも、満更不可能ではなかった。