彼の想像の当っていたことが、段々明かになって行くのだ。
「その証拠には、この指紋の残っている化粧品は、贅沢屋の三千子の持物としては、少し地味な好みですし、この過酸化水素キュカンバーだとか、過酸化水素クリームなどは、どちらかといえば油性の人に適当なものですが、三千子は反対に青白いすさんだ皮膚だったということですから、全く使用しなかったとは断言出来ませんけれど、少しふさわしくない感じです。
それから色白粉ですが、青白い人は薔薇色のを用いるのが普通であるにも拘らず、ここにある水白粉は赤ら顔に適当な緑色のものです。