ある冬の、殊さら寒い夜ふけのことであった。
神谷はまたしてもカフェ・アフロディテの片隅のテーブルに腰をすえて、ウィスキーをチビチビとなめながら、ウエートレスの弘子とさし向かいで、もう三、四時間ほども、意味もない会話を取りかわしていた。
「きょうは変だね、まだ十一時だのに、僕のほかには一人もお客さんがいないじゃないか」
ある冬の、殊さら寒い夜ふけのことであった。
神谷はまたしてもカフェ・アフロディテの片隅のテーブルに腰をすえて、ウィスキーをチビチビとなめながら、ウエートレスの弘子とさし向かいで、もう三、四時間ほども、意味もない会話を取りかわしていた。
「きょうは変だね、まだ十一時だのに、僕のほかには一人もお客さんがいないじゃないか」