闇にうごめく
恋人を保護したいばかりに、恐ろしい思いをこらえこらえて、怪物と同じボックスに対座していたあいだが、どんなに長く感じられたことか。
だが、恩田はやっぱり、時々ギリギリと歯を噛み鳴らしてはいたけれど、これという兇暴なふるまいもせず、一時頃まで、弘子の顔に見とれながら、飲んだりたべたりしていたが、もう看板だからと断られると、さも残り惜しそうにして、弘子に繰り返し繰り返しサヨナラを言って、案外おとなしく立ち去った。
闇にうごめく
恋人を保護したいばかりに、恐ろしい思いをこらえこらえて、怪物と同じボックスに対座していたあいだが、どんなに長く感じられたことか。
だが、恩田はやっぱり、時々ギリギリと歯を噛み鳴らしてはいたけれど、これという兇暴なふるまいもせず、一時頃まで、弘子の顔に見とれながら、飲んだりたべたりしていたが、もう看板だからと断られると、さも残り惜しそうにして、弘子に繰り返し繰り返しサヨナラを言って、案外おとなしく立ち去った。