屋敷を取りかこんだ高いコンクリート塀には、ドキドキと鋭いガラスの破片が、ビッシリと植えつけてあるし、見上げるばかりの御影石の門柱には、定紋を浮彫りにした鉄板の門扉が、閉めきったままになっている。
いったいどこからはいればいいのかしらと、見まわすと、門のかたわらのコンクリート塀に、小さな出入口がついているのに気づいたが、そこにも銅板を張りつけた引き戸が、さも厳重に閉まっていて、手をかけてみてもいっかなあきはしない。
やっとのことで、小さな呼鈴のボタンを探し当て、思い切ってそれを押すと、しばらくして、庭に人の足音が聞こえ、扉にカタンと妙な音がした。