両側のナツメの植込みが、まっ黒な蔭を作って、そこに何かしらただならぬけはいが感じられたからだ。
見まいとしても不思議な妖気が彼の眼をその方へ引きつけて行った。
植込みのもっとも暗い蔭、そこの地上三尺ほどの闇に、ああ、忘れもしない、あの青く燃える二つの蛍火が、じっとこちらを見つめていたではないか。
両側のナツメの植込みが、まっ黒な蔭を作って、そこに何かしらただならぬけはいが感じられたからだ。
見まいとしても不思議な妖気が彼の眼をその方へ引きつけて行った。
植込みのもっとも暗い蔭、そこの地上三尺ほどの闇に、ああ、忘れもしない、あの青く燃える二つの蛍火が、じっとこちらを見つめていたではないか。