見まいとしても不思議な妖気が彼の眼をその方へ引きつけて行った。
植込みのもっとも暗い蔭、そこの地上三尺ほどの闇に、ああ、忘れもしない、あの青く燃える二つの蛍火が、じっとこちらを見つめていたではないか。
神谷は、それを見た刹那、あとで考えると気恥かしくなるような、なんともえたいの知れぬ叫び声を立てながら、一目散に玄関の方へ逃げ帰ったのだが、逃げながら振り返ると、怪物の方でも驚いたらしく、黒い影が、植込みをザワザワいわせて、門の方へ、怪しい風のように飛び去って行くのが感じられた。
見まいとしても不思議な妖気が彼の眼をその方へ引きつけて行った。
植込みのもっとも暗い蔭、そこの地上三尺ほどの闇に、ああ、忘れもしない、あの青く燃える二つの蛍火が、じっとこちらを見つめていたではないか。
神谷は、それを見た刹那、あとで考えると気恥かしくなるような、なんともえたいの知れぬ叫び声を立てながら、一目散に玄関の方へ逃げ帰ったのだが、逃げながら振り返ると、怪物の方でも驚いたらしく、黒い影が、植込みをザワザワいわせて、門の方へ、怪しい風のように飛び去って行くのが感じられた。