夏目漱石 『虞美人草』 握る手の節の隆きは、真黒きは、松の小枝に青筋を立てて、うんと掻く力の脈を通わせたように見える。 藤蔓に頸根を抑えられた櫂が、掻くごとに撓りでもする事か、強き項を真直に立てたまま、藤蔓と擦れ、舷と擦れる。 櫂は一掻ごとにぎいぎいと鳴る。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア