むろん興行物はハネてしまい、夜店商人たちもほとんど帰ったあとで、宵の明るさ賑やかさは跡形もなかったけれど、夜ふけの参詣者、お百度詣りなどの黒い人影がチラホラして、二天門をはいったところには、これからが商売の易者のテント張りが、ポツンと、取り残されたように立っていた。
その二天門の敷石に、一人のむさくるしいいざりの乞食が、夜詣りの人を目当てに、まだ店を張っていた。
「ああ、こいつに聞いてみたら、見覚えているかもしれない」
むろん興行物はハネてしまい、夜店商人たちもほとんど帰ったあとで、宵の明るさ賑やかさは跡形もなかったけれど、夜ふけの参詣者、お百度詣りなどの黒い人影がチラホラして、二天門をはいったところには、これからが商売の易者のテント張りが、ポツンと、取り残されたように立っていた。
その二天門の敷石に、一人のむさくるしいいざりの乞食が、夜詣りの人を目当てに、まだ店を張っていた。
「ああ、こいつに聞いてみたら、見覚えているかもしれない」