その顔が破れたお釜帽子の下から、ヒョイと覗いたときには、明智は思わずわきを向いて、話しかけたのを後悔したほどであった。
「ああ、旦那とそっくりの人、通った、通った、あっち、あっちへ行った」
乞食は呂律のまわらぬ口でそう言いながら、草鞋ばきの手で観音堂の方を指し示した。
その顔が破れたお釜帽子の下から、ヒョイと覗いたときには、明智は思わずわきを向いて、話しかけたのを後悔したほどであった。
「ああ、旦那とそっくりの人、通った、通った、あっち、あっちへ行った」
乞食は呂律のまわらぬ口でそう言いながら、草鞋ばきの手で観音堂の方を指し示した。