そのあいだに逃げてしまったのか、最初から若い女の幻覚にすぎなかったのか、調べたときには、むろん提燈の中は空っぽであった。
怪談は怪談を生んで、歓楽境はたちまち恐怖の巷と化して行った。
昼間はともかく、夜にはいっては、一歩映画街を離れると、あの広い公園が、墓場かなんぞのようにまったく人影を見ないというさびれ方で、今や浅草公園は、遊覧客の代りに、私服刑事と、青年団員と、物好きな野次馬とで占領されたといってもよいほどであった。
そのあいだに逃げてしまったのか、最初から若い女の幻覚にすぎなかったのか、調べたときには、むろん提燈の中は空っぽであった。
怪談は怪談を生んで、歓楽境はたちまち恐怖の巷と化して行った。
昼間はともかく、夜にはいっては、一歩映画街を離れると、あの広い公園が、墓場かなんぞのようにまったく人影を見ないというさびれ方で、今や浅草公園は、遊覧客の代りに、私服刑事と、青年団員と、物好きな野次馬とで占領されたといってもよいほどであった。