幕と連なる袖の下を掻い潜ぐって、松の間を渡月橋に出た時、宗近君はまた甲野さんの袖をぐいと引いた。
赤松の二抱を楯に、大堰の波に、花の影の明かなるを誇る、橋の袂の葭簀茶屋に、高島田が休んでいる。
昔しの髷を今の世にしばし許せと被る瓜実顔は、花に臨んで風に堪えず、俯目に人を避けて、名物の団子を眺めている。
幕と連なる袖の下を掻い潜ぐって、松の間を渡月橋に出た時、宗近君はまた甲野さんの袖をぐいと引いた。
赤松の二抱を楯に、大堰の波に、花の影の明かなるを誇る、橋の袂の葭簀茶屋に、高島田が休んでいる。
昔しの髷を今の世にしばし許せと被る瓜実顔は、花に臨んで風に堪えず、俯目に人を避けて、名物の団子を眺めている。