その壁の穴に人知れずそういう仕掛けをすることができるものは、前後の事情から判断して、鞠子の隣室を居間としている綾子――被害者の実の姉の綾子――のほかになかったからである。
一郎は論理の筋道をたどって行って、結局わが姉の綾子を疑わねばならぬ窮地に立った。
彼はさすがにそれと名ざして言うことはできなかったけれど、その恐ろしい結論をもたらして、敬慕する明智探偵の判断を仰ごうとしたのである。
その壁の穴に人知れずそういう仕掛けをすることができるものは、前後の事情から判断して、鞠子の隣室を居間としている綾子――被害者の実の姉の綾子――のほかになかったからである。
一郎は論理の筋道をたどって行って、結局わが姉の綾子を疑わねばならぬ窮地に立った。
彼はさすがにそれと名ざして言うことはできなかったけれど、その恐ろしい結論をもたらして、敬慕する明智探偵の判断を仰ごうとしたのである。