七十八歳の祖母は今やまったく狂人であった。
彼女は何を思ったのか、古い白無垢の着物を着て、昼も夜も仏間に坐りつづけていた。
仏壇の扉を左右にあけ放ち、なん本となくロウソクを立てつらねて、一心不乱に経文を読誦しながら、絶え間なく伏せ鉦を叩きつづけ、誰が言葉をかけても、憑きものがしたように振り向きもしなかった。
七十八歳の祖母は今やまったく狂人であった。
彼女は何を思ったのか、古い白無垢の着物を着て、昼も夜も仏間に坐りつづけていた。
仏壇の扉を左右にあけ放ち、なん本となくロウソクを立てつらねて、一心不乱に経文を読誦しながら、絶え間なく伏せ鉦を叩きつづけ、誰が言葉をかけても、憑きものがしたように振り向きもしなかった。