残る家族といっては、七十八歳の祖母ただ一人、あの人もやられているのではないかと、急いでその部屋へ行ってみたが、ここの見張り番はちゃんと起きていて、老人は無事であることがわかった。
隠しておこうと思ったのだけれど、この騒ぎを隠しおおせるものでなく、老人は間もなく二人の神隠しを気づいてしまった。
そして、半ば狂せるがごとき彼女は、泣き悲しむかわりに、一そう、神ががりのようになって、銀髪を逆立て、眼を血走らせながら、例の仏間に駈け込んで、わけのわからぬ経文を高々と読誦しはじめるのであった。
残る家族といっては、七十八歳の祖母ただ一人、あの人もやられているのではないかと、急いでその部屋へ行ってみたが、ここの見張り番はちゃんと起きていて、老人は無事であることがわかった。
隠しておこうと思ったのだけれど、この騒ぎを隠しおおせるものでなく、老人は間もなく二人の神隠しを気づいてしまった。
そして、半ば狂せるがごとき彼女は、泣き悲しむかわりに、一そう、神ががりのようになって、銀髪を逆立て、眼を血走らせながら、例の仏間に駈け込んで、わけのわからぬ経文を高々と読誦しはじめるのであった。