そして、北森課長と明智の指図にしたがって、伊志田と綾子さんを、地底から運び出し、階下の来客用の寝室にベッドを二つ並べて、一と先ずそこへ休ませ、飲み物を与えて介抱をしたのであるが、明智はそのさ中に、何を思ったのか、あわただしく伊志田氏の老母の部屋をおとずれていた。
ドアをひらくと、襖の向こうの日本間から、陰気な読経の声が聞こえて来た。
この数日来、老人は仏壇の前に坐りつづけて、狂気のように念仏を唱えているのだ。
そして、北森課長と明智の指図にしたがって、伊志田と綾子さんを、地底から運び出し、階下の来客用の寝室にベッドを二つ並べて、一と先ずそこへ休ませ、飲み物を与えて介抱をしたのであるが、明智はそのさ中に、何を思ったのか、あわただしく伊志田氏の老母の部屋をおとずれていた。
ドアをひらくと、襖の向こうの日本間から、陰気な読経の声が聞こえて来た。
この数日来、老人は仏壇の前に坐りつづけて、狂気のように念仏を唱えているのだ。