もう来るかもう来るかと、斎藤の不在の夜は、そればっかり待っていたほどよ。
十二時すぎ、あの男は塀をのりこえ、廊下の窓から忍びこんで、足音も立てないで、あたしの寝室のドアをひらいた。
紺オーバーを着たまま、ソフトもかぶったまま、黒めがねと濃い口ひげが、たびたび出会ったあの男にちがいなかった。
もう来るかもう来るかと、斎藤の不在の夜は、そればっかり待っていたほどよ。
十二時すぎ、あの男は塀をのりこえ、廊下の窓から忍びこんで、足音も立てないで、あたしの寝室のドアをひらいた。
紺オーバーを着たまま、ソフトもかぶったまま、黒めがねと濃い口ひげが、たびたび出会ったあの男にちがいなかった。