愛之助は広っぱの手前で車を捨てて、闇の中に蹲って見ていると、ほの白い妻の姿が、真黒な怪物みたいに聳えている空家の中へ、吸込まれる様に消えて行った。
云わずと知れた、家の中には例の怪物が、美しい餌食を待構えているのだ。
烈しい嫉妬と、同時に妻の命を気遣う心とがゴッチャになって、愛之助は前後を忘れ、我身の危険を忘れ、いきなり芳江のあとを追って空家の中へ踏み込んでしまった。
愛之助は広っぱの手前で車を捨てて、闇の中に蹲って見ていると、ほの白い妻の姿が、真黒な怪物みたいに聳えている空家の中へ、吸込まれる様に消えて行った。
云わずと知れた、家の中には例の怪物が、美しい餌食を待構えているのだ。
烈しい嫉妬と、同時に妻の命を気遣う心とがゴッチャになって、愛之助は前後を忘れ、我身の危険を忘れ、いきなり芳江のあとを追って空家の中へ踏み込んでしまった。