烈しい嫉妬と、同時に妻の命を気遣う心とがゴッチャになって、愛之助は前後を忘れ、我身の危険を忘れ、いきなり芳江のあとを追って空家の中へ踏み込んでしまった。
例によって戸締がしてないので、這入るのは造作もなかったが、洋館の廊下が真暗で、芳江がどの部屋にいるのか見当がつかぬ。
だが、兎も角奥の方へと、手探りで、ソロソロ歩いて行くと、ふと低い話声が聞えて来た。
烈しい嫉妬と、同時に妻の命を気遣う心とがゴッチャになって、愛之助は前後を忘れ、我身の危険を忘れ、いきなり芳江のあとを追って空家の中へ踏み込んでしまった。
例によって戸締がしてないので、這入るのは造作もなかったが、洋館の廊下が真暗で、芳江がどの部屋にいるのか見当がつかぬ。
だが、兎も角奥の方へと、手探りで、ソロソロ歩いて行くと、ふと低い話声が聞えて来た。