これを伝聞した人々は強情我慢の大河原首相をして、この言を為さしめた、大陰謀の内容に想到し、転肌の寒きを覚えたのである。
が、それは後の御話。
さて、前章では、明智小五郎に尾行された偽品川が、窮余の一策として、本物の品川の住居に逃げ込み、その一室に顔を並べた寸分違わぬ両人が、我こそ品川四郎であると、互に主張して下らず、流石の名探偵も、為すべき術を知らなかったことを記したが、やがて段々取調べて行く内に偽品川の方は、はげそうになる化けの皮に、その場に居たたまらず、隙を見てこっそり逃出してしまった。
これを伝聞した人々は強情我慢の大河原首相をして、この言を為さしめた、大陰謀の内容に想到し、転肌の寒きを覚えたのである。
が、それは後の御話。
さて、前章では、明智小五郎に尾行された偽品川が、窮余の一策として、本物の品川の住居に逃げ込み、その一室に顔を並べた寸分違わぬ両人が、我こそ品川四郎であると、互に主張して下らず、流石の名探偵も、為すべき術を知らなかったことを記したが、やがて段々取調べて行く内に偽品川の方は、はげそうになる化けの皮に、その場に居たたまらず、隙を見てこっそり逃出してしまった。