現内閣の巨星、正四位勲三等警視総監赤松紋太郎氏は、今やトランク詰めの一個の生きた荷物となり終ったのである。
蓋をしめる時、明智が念の為に麻睡薬をかがせたので、荷物はもうコトリとも動きはしない。
不思議な仕方で事務の引継ぎを了した新警視総監は、総監の大きな腕椅子に、ドッカと腰を卸し、卓上にあった旧総監私用の葉巻煙草を切って、大様に紫の煙を吐いた。
現内閣の巨星、正四位勲三等警視総監赤松紋太郎氏は、今やトランク詰めの一個の生きた荷物となり終ったのである。
蓋をしめる時、明智が念の為に麻睡薬をかがせたので、荷物はもうコトリとも動きはしない。
不思議な仕方で事務の引継ぎを了した新警視総監は、総監の大きな腕椅子に、ドッカと腰を卸し、卓上にあった旧総監私用の葉巻煙草を切って、大様に紫の煙を吐いた。