……白い女体は、こけつまろびつ逃げまわり、寸隙を見ては、疾風のように男に飛びかかっていった。
二本の短剣は空中に切り結び、いなずまのようにギラギラとひらめき、男体、女体ともに、腕にも、乳ぶさにも、腰にも、しりにも、ももにも、全身のあらゆる個所に無数の赤い傷がつき、そこから流れ出すあざやかな血潮が、舞踊につれて、あるいは斜めに、あるいは横に、あるいは縦に、流れ流れて美しい網目をつくり、ふたりの全身をおおいつくしてしまった。
……樹木にかこまれた十坪ほどのあき地、そこにはえているのは二、三寸の短い雑草ばかりだったが、そのあいだに、二つの丸い大きな石ころがころがっていた。