忘れないで」
ドアの外まで見送って、彼女はそれを彼の耳のそばに、くりかえして咡いた。
宮城圭助は、碌々商会の皆川常務が要談をすませて立去るのを、鄭重に送り出してから、半分ほどになった葉巻を、灰皿の中におしつぶし、パンパンと、ほこりを払うように両手を打ち合せた。
忘れないで」
ドアの外まで見送って、彼女はそれを彼の耳のそばに、くりかえして咡いた。
宮城圭助は、碌々商会の皆川常務が要談をすませて立去るのを、鄭重に送り出してから、半分ほどになった葉巻を、灰皿の中におしつぶし、パンパンと、ほこりを払うように両手を打ち合せた。